私の家までは自転車で約15分
帰りは下り坂、とばして帰ればもっと早くつく。
「うわー、超邪魔なんですけど」
…校門の回りは王子のお見送りの女子でいっぱいで、とてもじゃないが自転車なんて通してもらえそうにない。
このバカでかい学校の裏門なんかから出たら、地形の関係などもあって二倍以上の時間がかかってしまう。
「王子っ、さようなら…!」
「橘様ぁっ、こっち向いてっ!!」
「キーキーうるせぇ…」
思わず汚い言葉を口走ってしまったが、アイツが帰るまで待ってればいいんだし仕方なく私もお見送りの列に加わった。
「それじゃあ皆、また明日」
「きゃああっ」
「また明日ーっ!!」
アイツが一言声を発しただけでこの様だ
いつもは遠巻きに見ていただけだったので、この中に加わってこの黄色い悲鳴を聞くと耳が潰れそうだった。
微笑んだ王子が女の子たちを一通り見渡した時、どうやら彼は私に向かって手を振ったようだった。
決して馬鹿な勘違い女ではないが、あそこまでしっかり目があって手まで振られるとそうではないかと思っても仕方ないとおもう。
「今あたしに手を振ってくださったわよね…!?」
「はぁ?私にでしょ!?」
アイツが去ったあと、私のまわりにいた女の子たちは醜い争いをしていた。
「あの、ちょ、道をあけて下さい…」
どうでもいい事で真剣に言い争うお嬢様たちにもみくちゃにされながら、私はなんとか自転車をおして学校を出た。
