5月15日

出発の時間が近づいてきた。空は日本に残る。

クロの連絡によるとヤマトはかなりヤバイ状況になっていて戦いが終わる気配はないらしい。

正直言って俺らで勝てるかわからない。けど…

少ししかない希望をヤマトのみんなは俺らに持っている。

「さて、そろそろ出発するか」

そう言ってカイが何かを唱え始めた。

「みんな目をつぶって下さい」

俺たちはシュウの言われた通り目をつぶった。

それから何分目をつぶっていただろう。まるで時が止まるような感覚だった。

「目を開けていい」

目を開け俺らが見た風景は街の人たちが血まみれで死んでいる所だった。

「っ!?」

「いいか?ここはヤマトじゃないけど今ヤマトはこの状況になる可能性があるんだ。半端な気持ちで助けようとするなよ」

カイは[覚悟]の光を宿した瞳で俺たちを見る。

カイの言う覚悟が今俺にはわかった気がする。

「私…少しでも生き残れそうな人探して治療してくる!!」

莉奈は走って倒れてる人の元へ行った。

莉奈らしいな…

「あたしも行く!!」

「お前は行かねぇの?」

「俺はヤマトに行く。ここはあの二人で充分だ」

「なら案内する」

俺らが歩きだすとシュウがどちらにいこうか悩んでいた。

「シュウは二人と一緒に居てくれるか?」

「はい!」

「行くぞ」

「あぁ」

それから俺とカイはヤマトに向かった。

「ヤマトで戦争って相手は悪魔なんだろ?」

「悪魔っちゃあ悪魔だけど実際は人間だぜ?」

「どうゆう事だよ」

「早く言えば相手は人間だ。その人間を操ってるのが悪魔って感じだ」

「人間が悪魔の手先になったのか!?」

「そう」

なんだよそれ!!
カイたちを…人間のみんなを…裏切ったのか!?

「そう怒りの表情になるな。慣れてる」

「そんなんに慣れるんじゃねぇよ…」

「悪かったな」