キンモクセイ~不思議な友情物語~

桂の背中が見える。


相当集中しているのか、いつもはあたしが来たらすぐに気づくのに、今日は気づいていないようだった。


笑っていたけど、少し元気がなかったから、ちょっと驚かしてみようかな・・・






そーっと桂に近づく。



するといきなり桂の動きが止まった。







・・・バレた??



ドキドキしながら立ち止まっていると、桂のつぶやきが聞こえた。










『お母さん・・・お父さん・・・・・・・








会いたいよ・・・っ』






小さく、でもハッキリと聞こえた。


昨日の夜も同じようなことを言っていた。













どうして桂は、あたしを頼ってくれないの?



独りで、抱え込んでしまうの―?













カタ・・・