泣き止んだ桂は、ずっと昔の、夢だったのかと疑うような、今と違う、家族を思い出していた。 何故、あんなことが起こってしまったの? どうしてみんな、いなくなってしまったの? 忘れていた、いや、思い出さないようにしていた記憶が、蘇ってきた。 何故か沙耶が憎くなった。 どうしてこんなこと思い出させるの・・・ 沙耶にはまだ、母親が残っているじゃない。 ・・・憎い・・・。