小さい、本当に小さくつぶやいた声だったが、壁が薄かったのでハッキリと聞こえた。 「やっぱり…我慢してたんじゃん」 ボソッっと、桂よりも小さい声で、つぶやいた。 お風呂も入って、寝るときも桂は<おやすみ>といって、さっさと寝てしまった。 でもねあたし、見逃さなかった、聞き逃さなかった。 桂が、泣いているの―