無言の中、食事が終わり、片付けはあたしがやることにした。
桂は自分の部屋に入ってしまったから、一人。
「ハァー…」
ため息を一つ。
やっぱり聞かないほうがよかったのかな…
桂は<悲しくない>って言ってたけど
親が欲しくないって人なんて、いないと思うから…。
強がっただけかな…
ふと手が止まっていることに気づき、あせあせと手を動かす。
またボーっとして、また手が止まる。
これを繰り返していたときだった。
いままで何も聞こえなかった桂の部屋から、声が聞こえてきた。
『お父さん…お母さん…か。
うらやましい…な』