「…え…?」


桂…笑ってる…?


でもなんか…どこか陰があるんだ

どこかに…小さな、小さな陰が。




『なんかね、あたし…小さい頃の記憶、ないんだよね!』




「え…。

そっか…ごめん」




『謝らないで!

悲しく…ないんだよ?』




悲しくない―?



『記憶がないから、沙耶のように昔を思い出して泣くこともないし?

独りだけど、なんか前からだからもう慣れたし…しかも植物や動物が一緒だからね!』





「そ…っか。」




『も~!急にどうしたの?

あ、やっぱ疲れてるでしょ~!

あ、お昼にしよっか!』




「うん…」




なんかこれ以上、踏み込んじゃいけないと思った―