服装は、深緑の作業服だったそうだ
それは、お父さんがいつも着ていた、ずっと前の仕事場の作業服だった。
その男は刺されているお姉ちゃんをしっかり、確実にみていた。
お姉ちゃんが刺されるのを、ずっと、無表情で。
目黒は気づいていたが、お姉ちゃんに気を取られていたため、後でやればいい、と思っていたそうだ
目黒が、動かなくなったお姉ちゃんを見て逃げるとき、その男もダッシュで逃げたそうだ。
ショックで言葉がでなかった。
だって仮にも父親でしょ?
お酒に溺れていようが、子供への愛くらいはあると思ってた
職を失って、子供にあたってしまっているだけだと、思ってた
最低だと思っていながらも
信じていたのに―
