―justice―





「あたしは人間なんて食べたくない!!
あ、あぁ…!
食べたい…食べたいよぅ!!」


その煩悶の言葉を最後に、完全に少女の焦点が虚ろになる

「ふふ…乗っ取り完了。
私はねぇ、お腹が空いてたまらないんだ。
食わせておくれよぅ…!!!
その肉をさぁ…!!!」


明らかにしわがれた声になり、彼女はもう彼女ではなくなっていた

眼は完全に焦点があわず、こちらをゆらりと見つめている


彼女は一歩、また一歩と近づいてくるが、僕にはこの危機的状況を回避する術が浮かばない


「戦うしか…ないのか…!!」


僕は構えをとる


できれば、女の子に暴行を加えるまねはしたくはなかった


でも、彼女はもう正気を完全に失っているし、僕だけならまだしも、椿さんもいる


僕は黙って食われるわけにはいかない