―justice―






「兄、上…??」


「何を寝ぼけてるの。
しかも悪い夢でも見た?
ひどい汗だよ。」


僕は兄上が触ろうと伸ばした腕を思いっきり払いのけた


「大丈夫だから、僕に触らないで。」


すると兄上は困ったような、怒ったような複雑な表情を僕に向けた

僕はそのまま自分の頭をおさえる


「今日は頭が痛いんだ。
ただ、それだけだよ。」

横で兄上が微かに微笑んだ気がした
そして兄上も自分の頭を抑える


「偶然だねー、俺も頭が疼くんだ。」


暫しの間、僕たちは睨み合う

兄上は誤魔化すかのように嘲笑する

「嘘だよ。
そんな怖い眼しないで。
ただでさえ怖いんだからね。」


軽く皮肉とも取れる言葉を漏らし、窓の外に視線を外した


「は、笑えない冗談だね。」

僕は一言そう返して黙り込む


僕たち兄弟は仲が悪いようだとよく言われる
それは僕も自覚していた


何時からだろうか、こんなに仲が悪くなったのは


きっとアレだ


この眼について、父上から話を聞いたときからだ