僕は椿さんの持つカギを見て、ハッと自分が命をかけて手に入れようとしたカギのことを思い出す


慌てて自分の周囲を見回すが見つからず不安が胸を過ぎったが、自分の手の平の中に何かの感触がして、開いてみるとカギだったので安心した


そのカギは錆びが取れて、銀色に輝いていた


「よかった…、成功してたんだ。」


ふと、銀色のカギを眺めながら暁さんのことを思い出す


先程頭に流れてきた物語と声によれば、彼は鶯の生まれ変わり

罪は【傲慢】


あいつにぴったりな罪だな、と心の中で苦笑する


彼はカギを集める派だったようだが、人が死ぬことはなんとも思わない殺しあいを望む派と変わらないと思った

本当に、兄上に似ている


自分のためなら手段を選ばない

落とす命がなんであれ、自分が生きればそれでいい

そう、たとえ家族でも



いづれは兄上と戦わなくてはならない、彼は間違いなく僕を殺しにかかるだろう

兄上の命を脅かす存在である僕を