『お前、カギを取りに行け。』


瞬間、また先程のように身体の自由が利かなくなり、足が無意識にガラス張りの床に踏み出された

「っ…!!」


パリッ…


微かに不吉な音が響く


僕の恐怖感とは裏腹に、足は一歩、また一歩と着実に歩幅を進めていった


「暁殿!
なにをやっておるんじゃ!!」


そう怒鳴って、僕の元に 行こうとする壱さんを彼は制止する


『いいのか、二人も乗って。
この床はあいつだけでも限界なんだ。
お前が行けば、間違いなくガラスは割れるぞ。』


「…くっ!
漣殿…!!!!」





そんな壱さんの叫びもどこか遠くに聞こえる


今まで死というものを実感したことがなかったのに、あまりにも急に【死】に近づきすぎた僕は、驚きと恐怖で意識が飛びかけていた