たしかに、暁さんの言うことも正論である
だけど、見放す必要なんてなかったはずだ―!!
「っ〜!!」
『あ、言ってなかったな、俺様の能力。
漠然といえば【声】だな。
催眠術みたいに聞いた奴を操れるんだ。
例えば―…お前らを殺し合わせたり…とか?』
そういって口元に笑みを浮かべる姿は何故か兄と重なって見える
これは―、簡単に人を殺せる人種だ
『まぁ、今はそんな無駄なことしねーよ。
カギは沢山あったほうがなにかと安心だし?
くく―、カギが手に入った後は知らねーけどな。
とりあえず、ついて来な。』
そういって、彼は機嫌がよさそうに鼻歌を歌いながら足を進めていく
「漣殿…、今は彼についていった方がよさそうじゃな。」
「っ…くそ…!!!!」
毒づきながらも壱さんの言う通りに、僕は足を進めるしかなかった