「………っ!!
このっ…!!!!!」


振り上げた拳を彼目掛けて振り下ろす

その刹那



『力を抜け。』


なにかの魔術のようだった


僕の身体は縛られたかのように動かなくなり、地べたに崩れ落ちる

「なっ!?」


僕らの仲裁に入ろうとした壱さんも地面に倒れ、驚いた表情をする


『くくっ…、部を弁えろよ、愚民ども。
俺様の名は暁【アカツキ】。
俺様に従う者はついてこい。』


「誰がお前なんかに…!!」


『そういってられるのも今のうちだ。』


暁と名乗る男は、指でくるくると銀色に輝くものを弄ぶ


「それは…!」

『そう、さっきの足手まとい野郎が必死に頑張って手に入れたカギだ。』



「…っ卑怯じゃぞ!!!」


『くくく、卑怯で何が悪い?
お前らだって聞いたはずだ、カギを手に入れなくても帰れる方法をな?
ここはな…そんなごちゃごちゃ綺麗事言える場じゃねーんだよ。』