「最悪な話でしょ?」

「…っ。」


屠殺(トサツ)
肉・皮などをとるために家畜類を殺すこと…

それを人間がやった話?

グリム童話にそんなものがあったのか


そしてそれが兄上の罪


「俺はこの惨劇を生み出した張本人、屠殺屋役の兄の生まれ変わりみたいなものだよ。」

「兄…上が…?」

「そう、俺がやった…みたいだね。
前世の記憶は自然と記憶に【ある】だけで、全く現実味を帯びてない。
だから、それが俺でしたなんてハッキリ言えないけど…俺がやったみたいだね。」


ゾクッ…―


その時の兄上は厭に不気味なほどの笑顔を浮かべていて、まるで兄上ではないかのように感じてしまった

そう、兄上たちの話でいう【前世の兄上】のような