「彼はわからないだろうから。」
兄上が再び占い師と呼んだ男を見据えると、男は僕の方にゆっくりと顔をむける
『馨様にはお会いしましたが、貴方には初めて顔を合わせますね。』
ぺこり、とお辞儀というには乏しい姿勢で男は視線を僕に固定したまま軽く頭を下げた
「…兄上、こいつは…。」
「例の【占い師】だよ。」
【占い師】
兄上たちに将来僕が最大の敵となると予言し、僕の人生をすべて狂わせた根源
その【占い師】が今僕の目の前に立っている
『本当になにも聞かされていないのですねぇ…。
お気の毒に。』
そのまま意味ありげに兄上を見るが、兄上は白々しい様子で明後日の方向をむいていた

