―justice―





それから宴が幕を開け、ホールで踊る者、食べ物に手をつける者、世間話に花を咲かせる者とそれぞれが自由に時間を過ごしはじめた


「…特に重要なことなんてなかったな。」

僕はどうでもいいパーティーに出席してしまったことにため息をつき、よく話を聞くべきだったと後悔する


僕がぶつぶつと文句をいっていると、横に人影が現れたので、僕は自然とそちらに目をやった

「漣様、一曲お願いできて?」


真っ赤な美しい唇でそう囁いたのは、西園寺家の娘の菖蒲様だった

「僕は病弱なので激しい運動はちょっと…。」


面倒に巻き込まれまいと僕は丁重に菖蒲様のダンスの申し込みを断った

しかし


「…あら、ご冗談はほどほどにですわ、漣様。
いつから病弱でいらしたのですか?」

「……は?」


柔らかさが消え、艶めいた笑みを浮かべた唇が次々に言葉を紡ぐ

「私がご存知ないと思いまして?
漣様…いえ、justiceさん。」


justice、それは僕のゲームでのHNだ