「ありがとうございます。
それと、本日は僕も皆様にお会いできてうれしく思っております。」
引き攣らないように精一杯の笑顔をつくって僕は女性たちの包囲をくぐり抜ける
それにしても今日のパーティー、何が重要なんだろう
兄上がわざわざ僕を迎えにくるくらいだから、きっとすごく重要に違いない
僕がバルコニーで空を見上げながら考えていると、高らかな楽器音がホールに響き渡った
『西園寺家第一子女、西園寺 菖蒲(アヤメ)様のご登場です。』
マイクを通して、ホール全体に響いた声と共に、きらびやかな衣装に身を包んだ女性がコツ、コツと階段から下りてくる
「皆様、本日は西園寺家主催のパーティーにいらして下さり、真にありがとうございます。」
しとやかにお辞儀をして、ふわりと華が綻ぶような笑みを浮かべて菖蒲と名乗った女性は挨拶をする

