それから僕は誰も信じなくなった

信用できなくなった


そして今に至る


「パーティー、ね。」


僕は面倒だと思いながら、召し使いがもってきていた正装に袖をとおす


鏡を眺めると、いつまでもメラメラと輝きが鈍ることのない紅い瞳が映る

「この目のせいで―…この目の…!!」


僕は自然と力の入った拳をジッと見つめて、堪え切れなくなった衝動を思わず鏡にぶつける



ガシャン―………!!!!!!!


はた、はた


細かく傷の入った皮膚から血が滲み出て、床を汚していく


僕はハッと正気に戻って、慌ててスーツが汚れないよう袖を捲った


「漣坊ちゃま!!!」

音を聞き付けたのか、召し使いたちが入ってくる


「何かあったのですか!?」


「ああ…なんでもないよ、うん、なんでもない。
悪いけど、包帯だけくれる?」


僕はまだ震える手をさらに強くにぎりしめて、ただそう呟いた