「ぼ…僕は違っ……。」


「違わないよ。
君ほど紅い目の子に私はであったことないしね。
………それに君も両親はどちらも紅い瞳はもってないじゃないか。」

「…!!!」


僕が…兄上を殺す相手…?
僕がっ…僕が………


「兄上!!
兄上も僕が貴方を殺すとお思いですか!?」


僕は懇願するかのように兄上に縋り付く

この家でようやく心を開けた相手、その兄上にまで信用されていなかったら僕は…僕は…


「うん、ごめんね漣。
俺は殺されるわけにはいかないから。」


その瞬間、世界が色を無くした
目の前が暗くなった

遠くに霞む兄の微笑
複雑な表情の義父


今までの優しさは
全部僕を観察するためだけで

すべて、偽り


全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て全て――――――