―justice―





剣を振り上げた兄上が、どこか遠くに見える


ああ、死ぬんだ

心の中を虚無感が満たす



しかし、僕の視界は赤いもので遮られた


赤い?


燃えるような赤




わなわなと震える菖蒲さんを僕は横目でみる


そしてゆっくり、正面の人物を見上げる


「だ…れ?」


赤い髪、赤い瞳
そして顔が僕に瓜二つだった


「わしじゃ、漣殿。」


そして目の前にたつ彼はニッコリと微笑む

この声、このしゃべり方は





「壱さ…ん?」


気づけば、壱さんの仮面は地面に落ちていた


髪は白髪だったかのように思われたが、それはただの毛皮で、今は仮面と一緒に地面に落ちている


「は………?
菖蒲、これはどういうこと?」


兄上は、目を大きく見開き硬直したまま菖蒲さんに尋ねる