「1ー3」

試合は優子のレシーブターン。
榊原さんのサーブだ。

シュッ

美しいフォームで放たれるサーブは
まさに模範的。
優子がそれをぎりぎりで返す。
榊原さんがそれを上げてきた。

「野風!」

最初にミスしてから
チャンスボールもなかったし
私はスマッシュに挑戦していなかった。
だけど。
ここで決めなきゃ何のために!!

「だああああ!!」

パシュッ

さっきと同じコースを狙った。
榊原さんも霧ヶ窪さんも触っていない。
どう…だ?

恐る恐るジャッジをきこうと
審判を見ると。

「イン。
チェンジサービス」

きゃああああ

客席の方から大きな歓声が上がった。

「野風!!
ナイッスマッシュ!!!」

とっても嬉しそうに
優子が抱きついてきて実感した。
私…私、決めることが出来たんだ!!