「やっぱり…」


窪田さんがエレベーターに乗るとドアが閉まり


私の胸が高鳴りすぎて


ドキドキが聞こえてしまうんじゃないかと恥ずかしくなった。

「何で会社に?」


「名波さんが残業してて…」


「何で1人で?」


「呑んだ代金は明日ちゃんと…」


―!!!!!!



嘘。


私、今抱きしめられてる??


「外、寒かったな。」


「はい。でも、優里さんは?」


「まだ店だろ?」


「店?彼女じゃないんですか?」

「うん。俺、好きなやついるし」

「え?誰?」


「ん?バカ!お前だょ。」


あ。


あぁ??


「私!?」


「俺の片思い?」


「…―」


私は下を向いて首を横に振った。