月の下の砂漠の上で


その音が響くと芸者さんは音を奏でるのを止め静けさが広がった

ふとティマと目があった

完璧に睨まれてるよね?
何か、すごく嫌な予感が…

ティマは中心のほうに歩いていく

「今日は 挨拶を兼ね美月さんが、皆さんに芸を御覧に入れたいと」

ほらね 予感的中。

私…そんなこと言ってませんけど?

「歌か舞か、どちらか忘れてしまいましたけど。どちらです?」

歌か舞かどちらか選べってことか…

ティマが不機嫌な理由は、たぶんライルの隣に私が座っちゃったこと。

それで嘘ついて無理矢理にでも余興やらせるとか、どんだけブラコンなんだよ…

性格悪っ!!

勝利の笑みを浮かべているティマをきっと睨み返す


「あぁ そうでした。どちらもですね」

「ちがっ」

睨んだ仕返しとばかりの嫌がらせ。

さっきよりもさらに嬉しそうに笑みをこぼす


ムカつく


私はここから一歩も動かないし前に出て余興などしてやるもんかっ


そう決め込んでいるとティマがこちらに向かって歩いてくる

他の人には聞こえないように口元を近くに寄せて呟く。

「俺はお前が お兄様の侍女だなんて認めてないよ?ここは王宮。王族の命でお前を今すぐにでも追い出すことができる。代わりなんていくらでもいるんだから」