月の下の砂漠の上で



兄様は賢い。

こんな ちんちくりんが、どうやって兄様に取り入ったのか全くわからない。

聞けば


「取り入ってなんてないよ。ただ、ここにいる 間仕事をもらっただけ」

なんて言うし【ただ】とか【だけ】なんて考え方あり得ない。

王の近くいることが、どれほど光栄かわかってない。


本当にこいつはバカだ

「ば、バカって…さっきから失礼すぎじゃない ?」


兄様を呼び捨てして


「王としてじゃなくてただライルとして話しただけ。」

王の品位もわかってない奴

「さんざんナチに教えてもらったけど、まだ少 ししか…」


「私は王の隣にいるつもりはない。ライルの隣にいるつもり。」


驚いた


この国、いや世界で王は絶対的な存在。


兄様は王であって…兄様が絶対なんだ

一人の人間としてなんて考えられるわけがないだろう?


こっちをまっすぐ見る目の前の女。本気でそう思ってるんだってわかる

ムカつくし

「あっ!隣にいるって侍女としてだよ!変な意味じゃなくて…」

…本当に変な女