少数派の宴


「な――――」
横一線。
違和感を感じて、視線を落とす。

手が。
指も爪も手の平も甲も骨も肉も関節も筋肉もなにもなにも――――ない。

あるのは、
露出した手首のピンク。
あるのは、
地面に落ちた両手。


僕の

て。


「あぁぁああぁぁぁ」
<トカゲ>は、自分の喉の奥から絞り出すような声が出るのを聞いた。

しかし、それは手が無い事に対しての恐怖ではなく。
ぞくぞくと這い上がるような、気持ちの悪い腕の感覚からの。


「あぁぁぁああ!」

ぬる、と。
自分の手首から小さな指が生えているのを、<トカゲ>は見た。

気持ち悪い。

そう言われたのはいつだ?

異常だ。

そう言われたのはどこだ?

寄らないで。

そう言ったのは、だれだ?

指は小さな手となり、凄まじいスピードで成長していく。
さながら、尻尾。


――――トカゲの尻尾だ。

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