車は騒々しく森へ吸い込まれていった。 「お前な……、故郷との別れを急くな」 「話すと舌を噛むぞ」 「荒すぎるんだよ」 <トカゲ>はそこで、前に迫る枝を手で払った。 「道がだろ?」 「運転だ――――いッ!?」 突然、がくん、と車が跳ねた。 そのまま嫌な音を立てて急停止する。 思い切り顎をぶつけた<トカゲ>は、小さく呻きながら蹲った。 <煙草屋>はしかし気にも止めず、 「轢くぞ」 と誰かに向かって警告を発する。 .