「お兄ちゃん、ごはん出来たってよ。」

妹の優子が部屋に入ってきた。

「おいおい、ノックくらいしろよ。仮にも男の部屋だぞ」

涼太郎は、ベッドに横になりながら少し怒ったように言った。

「ごめんね。ま、とにかく下で待ってるよ~。」

「おう。」

優子は、兄の冷めた態度に少し腹を立てながら、下のリビングに戻った。

涼太郎は、それから5分ほど横になって、やっと下に降りてきた。

父、母、妹がもう食卓についていた。

今日は、エビフライだった。

涼太郎も、大好きなエビフライが大皿にたくさん乗っかってるのを見ると、ウキウキして、慌てて食卓についた。

「いっただっきま~す」

家族そろって、いただきますをした。

佐々木家は、仲が良かった。