一番手前のコースで泳いでた由紀が、ゆっくりとした動作で上がって、マネージャーらしき女の子からタオルを受け取った。

その子が何かを言って、それに由紀が答える。

あ、笑ってる・・・


見たことない顔。私の知らない顔。

  


ズキン


そんな音が胸の奥から聞こえた。



私だってわかる。
これはヤキモチだ。


なんで?
由紀は私の幼馴染。
ただの幼馴染なんだよ。



目が離せなくて、見つめていると、ふいに由紀が校舎を見上げた。