待ち合わせは2時だけど、1時には学校に着いてしまった。

私は図書室には向かわず、途中で買ったアイスを片手にある場所に向かった。


先輩を見るためによく来た場所。

プールから一番近い校舎の2階部分にある使われていない教室は、水泳部の練習を見るには最高の場所だった。



窓からキラキラ光る水面を見つめる。

コーチの檄が飛ぶ。


水面を揺らし、何人かの生徒が左から右へ、右から左へと忙しく往復を繰り返す。



あ、このフォーム・・・由紀だ。




水の中をすべるように進む。

綺麗。
素直にそう思える。



そして、笛の音が青空を裂くように鳴って、次々と人がプールサイドに上がってきた。