1分と31秒のとびら。

「何考えてるの?今」


わざとゆっくりとした動作でチャックを閉めながら、すぐ耳元で由紀が質問する。



「顔、真っ赤だよ?何、想像したの?」



顔ってどうやって見えるのかと思ったら、そういえばここは全身が映る鏡の前だった。

鏡の中の私は頬を染めて、後ろから抱きかかえるように由紀がいる。

いじわるな笑みで私を見つめる視線に、恥ずかしいのになぜか釘付けになる。



「ひより・・・かわいいよ」



「え・・・・・・」



うなじに何かが触れて、鏡を見てやっと、それが由紀の唇だって気付く。



「んっ・・・ゆ、由紀?」