不思議と痛みはない。 私はいつの間にか暗いトンネルを歩いている。 目の前が眩い光に包まれたかと思うと、今度は宙を飛んでいた。 鳥になったみたい。 高い高い空の上から一気に下降すると、そこは見慣れた私たちの街だった。 2人乗りをしている自転車が1台、視界に入ってきて、私はそれを追う。 (あれ?もしかして・・・あれって私と由紀だ) 自転車は急に止まり、2人は何かを見る。