正直、この時私は章吾の事が気になって仕方なかった。


だって、顔はカッコいいし声も低くて男らしいし、何よりあんな事されたら、普通の女は意識しないでいるなんて、無理だと思う。



《どうして?》

とりあえず、私は聞いてみた。


《俺の事好きなんかな?って思って。あんな事したからさ。意識とかしてるんじゃないかなって。》

なんだ。そうだったんだ。章吾は別に私の事なんか好きでもなかったんだ。分かってた事なのに、なんだか悲しくなってきた。



《別に…普通だけど。》

嘘だ。本当は、カナリ気になっている。
そう心で思っていてもぜんぜんダメなんだね。


《そっか。変な事聞いてゴメンな。じゃあオヤスミ。》



と、章吾とのメールは終わった。

どうしてだろう。章吾の事が気になって気になって仕方なかった。


私…





章吾の事が





好きなんだ。






気付いた。私は章吾が好きなんだって。



気が付いたら時計は深夜の2時をさしていた。




ずっと考えていたんだ。

章吾の事を考えていると、時間が早く進む。



その日、私は一睡もする事が出来なかった。