早く言わなきゃ。みんなも――クラスメートもこれを聞きたがってるんだ。
「その年上の女性って、か、彼女とか」
「……」
なぜだか、京の目をまっすぐ見れずに、下を向いてしまった。今、京がどんな顔しているのか分からない。
顔を上げて表情を見たい。けど、出来なくて。
私は京からの返事を待った。
「……彩乃さぁ」
ん?何か、怒ってる?
「京ー?誰か来てるのー!?」
京の声を書き消すように、家の中から女性の声が聞こえてきた。
「や、やっぱり彼女いるんだ!勿体ぶって!なんか…ムカつく!」
「だから、」
「あれ、彩乃ちゃん…?」
「……へ、」