いつもなら『入れば』って言って家に上げてくれるのに。

咄嗟にドアを閉めようとしたのは、休みのくせに制服を着てたから、でしょ。

私には言えない何かがやっぱり京にはあったんだ。

麗香に言われて解ってはいたけど、本当にあるって解ったら、何か…。

モヤモヤが再来した。


「……何か用?」

「あ、えっと…テスト!テスト預かってて」

「…あぁ、サンキュ…」


テストを渡して、京は私を見つめ「じゃあな」何か言いたげな顔をして、ドアを閉めようとした時、私はまた無意識に、口走っていた。


「朝、京が年上の女性と歩いてるの見たって人がいて。学校休んだはずなのに、制服着てるって事は…その情報は事実で…」


私、何言いたいんだろう。