「今日は、二人とも出張でいないもん…」


まるで、私は駄々っ子の様だ。


呆れただろうな…。


顔を上げれず、竜二の腕を掴んでいると、優しく手を握ってくれた。


「じゃあ、今日だけ。絶対に今日だけだよ?」


「ホント!?」


嬉しくて、思わず笑顔で竜二を見た。


少し、困った様に竜二は笑う。


「愛美が、こんな大胆な事を言うとは、思わなかったな」


私だって、知らなかったよ。


自分に、こんな一面があるなんて…。


恋をするって、不思議…。


「歩いて帰るけど、大丈夫?」


竜二の言葉に、思い切り頷いた。