どれくらい、キスをしたのかな…。


どれくらい、抱きしめてもらったのかな…?


時間の感覚すら、なくなってくる。


それくらい、幸せな時間に浸っていた。


「ねえ、竜二。私、帰りたくない」


自分でも意外な言葉が、口をついて出る。


「何言ってんだよ。そんな訳にいかねえだろ?」

竜二は驚いた様に、私を見た。


「だって…。ずっと一緒にいたいんだもん」


そんな事出来ないって、分かってるけど…。


でも、それでも一緒にいたかった。


シュンとなり、私がうつむいた時、ため息まじりに竜二が言った。


「親が待ってるだろ?ダメだ。帰らないと」