「でも、何で竜二なの?その、佑斗さんて人が狙われそうなのに」


「それはね…」


と、ジンが言いかけたところで、竜二が止めた。

「羽山組の残党は、新しくボスを立てて、組織を大きくしたいんだ。テリトリーが近いオレが、一番邪魔なんだよ」


「そんな!勝手過ぎる」

思わず口に出してしまったけれど、きっとこの世界は、そんなキレイ事なんて言ってられないんだよね。


「それに…。佑斗さんはかなり強いんで…。組織も大きいですし、簡単には対抗できませんよ」


それまで黙っていた高志くんが、悔しそうな口調でそう言った。


「くそ~。あいつらムカつくな。竜二さん、オレたちが守りますから」


高志くんは、唇をぎゅっと噛み締めた。