しばらく二人で抱き合った後、竜二はゆっくりと私を引き離した。


すると、優しい穏やかな笑顔で言った。


「一つ約束。お前はちゃんと、今まで通りの生活をしろよ?絶対にオレたちに合わせるな。分かった?」


「うん…。分かった」


竜二の思いやりが、痛いほど伝わってきたけれど、私はやっぱりダメだ。

どうしても、竜二とたくさん一緒にいたい。



私は次の日から、塾を辞めてしまった。


親には、「独学の方が効率がいい」と、嘘をついて…。