何?


言わないといけない事?

行き交う人たちの足取りは早く、街のネオンが目に入ってくる。


そんな中で、立ち止まったままの私たちだけ、世界が違うみたい。


竜二は、ゆっくりと低い声で、喋り始めた。


「実はさ、オレの実家は…」


一呼吸置く。


かなり、緊張しているみたいだ。



「ヤクザなんだ」


「ヤ、ヤクザ?」


あまりにも聞き慣れない言葉に、私はしばらく唖然とした。