振り向くと、そこには勇真がいた。


一度、家に帰ったらしく、私服だ。


「どうしたんだよ、こんな所で。何かあった?」

慌てて涙を拭う。


「勇真こそ。どうしたの?」


「オレは、買い物。今から帰る所だったんだけど…。泣いてる?」


私の顔を覗き込み、勇真は怪訝そうに言った。


「大丈夫。ホント」


勇真を真っ直ぐに見れない。


まさか、竜二に会ってたなんて、言えないし…。

何も言えないでいると、


「嫌じゃなければ、一緒に帰らない?」


勇真は、そう言った。


その優しい言葉に、私は素直に頷いた。