「みんな、離れ離れかぁ」


「何言ってるのよ愛美!私は、いつだって飛んでいくわよ」


「柚…。ありがとう」


柚に笑顔を向けた時、ジンが私に言った。


「今から竜二の所へ行くんだろ?」


穏やかなその言い方は、昔のジンには無かったものだ。


「うん。行くよ」


ゆっくりとそう言うと、柚が空を見上げて言った。


「今日は天気がいいから、きっと竜二はご機嫌ね」


「そうだね~。本当、風が気持ちいい」


「オレたちは、後から行きますから、ゆっくりしてください」


高志くんがそう言うと、ジンと柚は手を振って、車に乗り込み走り去った。