……ずっと、苦しかった。
生まれた瞬間に、
“成海”の家を継ぐことが決まってしまった俺。
あとはもう、あの人の思うがまま。
大事に育てられた、とは思う。
特別扱い。
明らかな優遇。
愛情もお金も注ぎこまれた。
だけど、
それと一緒に…いや、
それ以上に重くのしかかる“期待”。
“成海”の家を継ぐべき存在として。
あの人の決めた“こうあるべき”人物にならなきゃいけない。
レールはすべて決められていた。
選択肢なんてなかった。
両親も、口出しできなかった。
誰にも止められなかった。
流されるしかなかった。
でも……
疑いもなく、素直に従っていられるのは幼いうちだけ。
当たり前だけど、
成長するにつれて“自分”ってものがわかってくる。
自分の置かれた状況も、
自分の限界も、
自分を待ち受ける未来も。
わかってしまったら、
もう“操り人形”じゃいられない。

