ゆっくりと。

ベットのほうに歩み寄る。


そして、そっと。

覗き込んだ。





「……っ!」





これは…デジャヴュ?



あのときと同じ、だ――






誰もいない。

とにかく静かな空間。



窓から入ってくる風がカーテンをゆらゆら揺らして、

ベットのそばを行ったり来たり。



そこだけ時間が止まっているような…

現実から切り離されてしまったような、なんとも不思議な感覚。





そして、

ベットで眠る、綺麗な綺麗な“お姫様”。


真っ白なシーツに、
ふわっと広がる栗色の長い髪。

胸の辺りで、きちんと組まれた細い指。





あのときよりも、ひときわ美しくなって。


でも、

あのときよりも、顔色は悪く、細く…はるかに弱っている。





それは俺のせい…



だから…




無意識のうちに手を伸ばしていた。

そして、そっとみさきの頬に触れる。




あのときと同じ。



俺はゆっくり、顔を近づけて行った。


そして……
















「……ん?」










お姫様は、

目を覚ます―――