「………え?」
今、なんて……?
「はっきり言うけど、
みさきちゃんは“妊娠”なんてしてません。」
「え…だって…」
茉奈さんが…
あ。マドカだって。
今思えば、それっぽいこと言ってたじゃん?
「まぁ、生理は止まっちゃってたみたいだけど…
それは、精神的なバランスが崩れたからだと思うわよ。」
そんな…
「…まったく。それで焦って駆け付けたってわけ?」
うなだれる俺に、母さんは呆れたようにため息をついた。
かと思えば、一転。
「今さらどうするつもりだったの?」
厳しい口調で言った。
「みさきちゃんをあそこまで追い詰めたのは…航、あんたでしょ?」
「……っ!」
「最近、家に来ないと思ってたけど…
まさか、あそこまで悪化してるとは思わなかったわ。」
母さんは、今まで俺に何も聞いてこなかった。
何があったのか、も。
みさきが家に来ない理由、も。
でも、気にしてくれていたに違いない。
「もしも、みさきちゃんが本当に妊娠してたら…航はどうするつもりだったの?」

