俺の純粋な“好き”に、

余計な感情が混ざったのはたぶん、あのとき。




憎しみ、とか。

嫉妬とか怒りとか…


アイツへの“負”の感情がプラスされた。




なんで?

なんでまたアイツなの?


俺のほうが……






そこから、

俺は“変わった”。




遠慮なんてしていられない。

絶対に振り向かせてみせる。

アイツになんか、渡さない。




俺が傍にいて。

俺が助けて、俺が守る。


俺が

幸せにするんだ――







その想いが通じたのか、

俺の努力が報われたのか。



俺は、

彼女の“隣”を手に入れた。



そして、


彼女の“気持ち”も手に入れた。





幸せな時間。

平和な日々。



このままずっと、
それが続くんだとばかり思っていたのに……








また、

狂い始めた。






全部、アイツのせいだと思った。


俺の幸せを脅かして、

俺を過去に縛って、

俺からすべてを取り上げる。



アイツがいけない。

アイツが……






でも、

それはたぶん、違うんだ。