「やっぱり、ダメなんだよ。」



聞こえてきたマドカの声。

慌てて顔を上げれば…



「コウちゃんは、早くみさきちゃんのところに戻るべきだと思う。」



まっすぐに俺を見つめながら、マドカはきっぱりと言い放った。


え……?



「みさきちゃんじゃないとキスもできないなんて…
コウちゃん、相当重症だよ?」



くすっと。
1度表情をゆるめて、からかうように笑ってから。

マドカは言った。



「コウちゃんには、みさきちゃんが必要なの。

そして、みさきちゃんにもコウちゃんが必要。」



“妹”のマドカはどこにもいない。

まるで子供を諭すような。

大人びた表情。


こんなマドカを俺は知らない。



「だったらもう、
一緒にいるしかないじゃない。」


「……っ」


「2人は、離れちゃダメなんだよ」



それはとてもシンプルで。

だけど、1番正しい解答。


俺は……





「みさきちゃんに会いに行こう?」