迷子の眠り姫〜sweet kiss〜*下*





昔から、そうだった。


アイツは、変なところで“兄貴”ぶるんだ。



俺を庇って、助けて、やさしくする。

でも、それはことごとく、俺の望むこととは違っていて……



俺はただ、イラつくだけ。

みじめになるだけ。


寂しくなるだけ…だったんだ――













「…ん?アレ?」



小さく声が漏れて。

ゆっくりと目蓋が開いて。



「……航くん?」



その瞳が俺の姿を捉えた…瞬間、



「朝ご飯っ!」



ガバッと、みさきはものすごい勢いで飛び起きた。


寝顔を眺めながら、彼女の柔らかな髪を弄んでいた俺の手は…

その衝撃で振り払われて、悲しくも行き場を失った。


……何?


彼女らしからぬ行動に、思わずぽかーんとする俺。

って言うか…



「……すごい格好。」


「え…?」


「目のやり場に困るって言うか…いや、俺的には全然いいんだけど。」


「……っ!?」



ようやく気づいたのか、慌ててシーツを手繰り寄せるみさき。

そして手早く隠して、顔を赤くしたまま俺のほうを見て…



「……おばさんたちは?」