ビターな彼に夢中[短編]

引き止めてくれるかと思った。

でも智也くんは静かに言った。


『…わかった。』


引き止めてもくれないんだ…


『ずっと悪かったな。』

違うよ…

謝って欲しかったんじゃない…


『元気でな。』


私は泣きじゃくりながら車から降りた。


一気に走って家まで帰って
そのまま部屋に直行した。



ベッドで布団に潜って泣いた。


こんなに好きだよ…

大好きだよ…



いろんな事が
好きだからこそ辛かった

智也くん…




ずっと泣いた。


泣きつかれた後は
虚無感に襲われた。


智也くん…