ビターな彼に夢中[短編]

『智也くんっお待たせ』

白いお皿に盛り付けた
ミートソースのパスタをソファーの前の机に運んだ。


『お~…想像以上のもんが出てきたな』


にやりと笑う智也くんの台詞を
私は鼻唄で聞き流す。


『ありがとな。頂きます』


自分が作った料理を
大好きな智也くんが食べてくれてる…。


例えレトルトでもすごく嬉しかった。


もっと家でも料理手伝っておけば良かったなぁ。


智也くんはあっという間に食べ終わった。


『ご馳走さん。旨かった』

智也くんはそのまま
さっきよりもさらにネクタイを緩めてソファーに仰向けになった。


私がお皿をキッチンで洗い終わると智也くんはそのままソファーで眠っていた。


私はふわふわのラグにお尻を
ぺたんとつけて座り、智也くんの寝顔を見た。


寝顔もかっこいいー…


人差し指で智也くんの鼻筋をそっとなぞる。